今回は、ニットに関する話ではなく、アパレル業界における課題に焦点を当てて、サンプルの重要性とその課題について考え、ニットブランドANTHOMを運営する立場から課題解決策を考えてみました。
アパレル業界は、様々な要因によって影響を受ける産業です。特に最近では、円安や原料高などの要因により、業界全体に大きな影響が及んでいます。
その中でも昔からアパレル業界にある課題
『サンプルの行方と販売方法』について掘り下げてみたいと思います。
アパレルブランドを運営するにあたり、サンプル作成は商品開発の過程で欠かせないステップです。商品のデザインや品質を研究し、お客様の満足度を高めるために重要な役割を果たします。しかし、サンプルを作り直す回数やその費用は、ブランドによって異なります。
1型サンプル作成するに必要な作業・費用について
商品原価設定 | 上代の20%〜35% |
サンプル費用相場 | 商品原価の2倍〜4倍 |
サンプルUP回数 | 1〜3回(1st⇨2nd⇨3rd/ブランドにより回数異なる) |
サンプル1商品に対するサンプルカラー展開 | 1〜4枚(各色) |
※あくまで個人的見解なので参考までに。
上の表を元に1商品にかかるサンプルコストを考えてみましょう。
例(価格や数値は平均値を参考に使用しております)↓↓
商品店頭価格(上代) | 10,000円 |
商品原価設定 | 2,500円(上代に対して25%) |
サンプル費用相場 | 7,500円(原価3倍想定) |
サンプルUP回数 | 2回 |
サンプル1型に対するサンプルカラー展開 | 4点(1stサンプル1点/2nd各色サンプル3点で想定) |
1商品作成するためにかかるサンプル費用 | 7,500円×4点=30,000円 |
※あくまで個人的見解なので参考までに。
1型作るためにかかるサンプル費用は30,000円となり、その金額が皆様が手に取る商品の価格に反映されております。
そんなの当たり前のことだろ!と思うかもしれませんがw
こだわればこだわる程、商品価格に反映されるため、ブランドとしては妥協点を作る形になりかねないと考えております。
『正しい価格で正しい物を提供し、高品質な商品を作り続けたい』と考えて小規模でブランド運営をしているANTHOMとしては、こういった小さな課題から解決策を考えるべきだと感じております。
サンプル作成の課題
■ サンプル作成に伴う高い費用は、そのまま商品価格に反映される。そのため、物価上昇につながる可能性がある。
■ 現状のサンプルの行方としては、合同サンプルセール販売が行われているが、会場レンタル費や販売員の経費が負担になっている。
今の時代にふさわしい新たなサンプル品への考え方
■ 小規模なオンラインサンプルセール販売を行う。
(30-50人限定参加のサンプルセールを想定)
■ ブランドファンに焦点を当てた販売手法を採用し、顧客との関係を深める為の還元サンプルセール。
■ サンプルの生産過程を透明化し、オンラインコミュニティ上で顧客との関係構築を行う。
エンドユーザーとブランド側のメリット
■ テナント費用や人件費がかからないので、最適な価格でエンドユーザーへ届けることができる。
■ 経費削減と原価率の向上により、より良い商品開発が可能になる。ブランドの持続につながる。
ANTHOMの取り組み
ANTHOMでは、上記の内容を踏まえて小規模なオンラインコミュニティを作成し、ブランドファンに焦点を当てサンプル販売を考えております。
これにより、顧客様との関係を深め、時代や市場に左右されない部分でブランド価値の向上させ続けたいと考えております。
最後に、、、
今回はニットにまつわる話ではなく、ブランド運営していく中で感じる課題や景気後退に負けずにブランドを成長させるためには小さなことからチャレンジしていくべきだな!と素直に思ったことをブログ記事にしてみました。
こんな時代だからこそ、良い洋服はお店(オフライン)や小さなコミュニティ(オンライン)でブランドを広めていけたら、末長く愛されるブランドになるんだろなーと時代に逆行した考えを妄想しておりますw
まだまだ3年目のブランドなので未熟ではありますが、
今後も熱意を持ってブランドを成長させていきたいと考えています。
これからも、たまにはこういったアパレル現場でのリアルな課題や悩みについても発信・共有していきたいと思います。
最後までブログを読んでいただきありがとうございます。
よければ、ブログに対するご意見やご感想をこちらのサイト内、またはインスタグラムのDMにていただけると幸いです。今後の励みになりますのでw
それではGWも残りわずかですが素敵な休日をお過ごしくださいませ♪