日常に、モードを。
サボっていたので久しぶりにブログをw
内容はANTHOMの過去とこれからを書き残していきます。
ANTHOMをスタートして約4年が経ちました。
展示会やPOPUP、全国のセレクトショップで、たくさんのお客様やバイヤーさんとお話しする中で、ANTHOMというブランドの立ち位置が少しずつ見えてきました。
最近、「ANTHOMはどんなブランドですか?」と聞かれると、以前より迷わず答えられるようになりました。
「日常に、モードを届けるブランドです。」
今は、この言葉が一番しっくりきています。
現場から生まれたブランド
私、上江はデザイナー出身ではありません。
アパレルメーカーで2年、ニットメーカーで5年。
約7年間、営業として全国のセレクトショップを回り、バイヤーさん、店頭スタッフ、お客様と向き合ってきました。ブランドをスタートのは、その後です。
だから服づくりも、デザインから始まることはありません。
「今、本当に必要とされている服は何だろう。」
「長く選ばれるブランドには何が必要なんだろう。」
そんな現場で感じた疑問から始まります。
営業という仕事を通して、多くのセレクトショップやブランドを見てきました。
売れるお店やブランドも、長く残るお店やブランドも、たくさん見てきました。
その経験が、今のANTHOMの土台になっています。
僕が思う「モード」とは。
ファッションには、いろいろな言葉があります。
コンサバ、フェミニン、カジュアル、モード。
でも、その定義は人それぞれです。
モードという言葉にも、パリコレやランウェイで見る特別な服。
少し奇抜で個性的な服。
高価で限られた人だけが楽しめる服。
そんなイメージを持つ人も多いと思います。
もちろん、それもモードの考え方です。
でも、僕が理想とするモードは
日常の中にある、少しだけ周りと違う格好良さ。
ポロシャツ。
メンズシャツ。
ミリタリー。
MA-1。
フィッシングベスト。
ワークウェア。
男性服には、時代が変わっても色褪せない機能美や格好良さがあります。
その格好良さを、ニットを中心に女性らしいシルエット、レイヤードという考え方で、女性の日常へ自然に落とし込む。
ブランドを始めた頃は、「ミリタリー × セミラグジュアリー」というテーマを掲げていました。
でも、現場で多くのお客様やショップと出会い、経験を積む中で、少しずつ今の考え方へ変わってきました。
奇抜ではない。ベーシックでもない。少しだけ空気感が違う。
そして、一枚で完成する服ではなく、重ねることで自分らしさが完成する服。
僕は、レイヤードこそおしゃれを楽しむ人だけができる表現だと思っています。
だからANTHOMは、一年で終わる服ではなく、毎年少しずつ買い足しながらワードローブを育てていくブランドでありたい。
それがANTHOMの考える「日常のモード」です。
今も、服が好きな人へ。
ブランドを続ける中で、お客様や身近な人たちの話を聞く機会が増えました。
結婚や出産、仕事など、ライフスタイルが変わる中で、以前のように服へ時間やお金を掛けられなくなった人は少なくありません。
でも、それは「服が好きじゃなく
なった」ということではありませんでした。
本当は今も服が好き。
品質にもこだわりたい。
レイヤードも楽しみたい。
少しだけ格好いい服を着たい。
でも毎シーズン、高価なデザイナーズブランドを買い続けることは現実的ではない。
そんな人たちがたくさんいます。ウチの妻もその1人ですw
だからANTHOMは、流行を追いかけるブランドではなく、暮らしが変わってもファッションを楽しみ続けられるブランドでありたいと思っています。
ANTHOMの役割
大阪には、コストパフォーマンスの高いアパレルメーカーがたくさんあります。
東京には、強い世界観を持つデザイナーズブランドがあります。
そして、その間には「品質が良く、少しデザインが効いている」ブランドも数多くあります。
もちろん、それぞれに魅力があります。
ただ僕自身は、もう少しだけモード感があり、若い感覚があり、レイヤードまで楽しめるブランドが市場にないと感覚的に感じています。
品質だけでもない。デザインだけでもない。
毎日の暮らしに馴染みながら、少しだけ背筋が伸びるような日常的なモード服。
その立ち位置は、まだ十分に表現されていないと感じています。
だからANTHOMは、そこを目指します。
品質には妥協しない。でも、毎日のワードローブとして選び続けられる価格で届ける。
一枚を売るのではなく、重ねることで完成するワードローブを提案する。
ANTHOMはデザイナーズブランドではありません。
だからこそ、企画、生産、営業、販売まで一貫して現場を経験してきたディレクションでブランドの価値をつくれると信じています。
ニッチでいい。いやニッチが良い。
「日常のモードニット」といえばANTHOM。
その第一想起を目指しています。
ニットだからできること
ANTHOMがニットを軸にしている理由も、そこにあります。
ニットは、糸を選び、編み地を設計し、度目や組織を調整するもの。
素材そのものからデザインできる数少ないプロダクトです。
だからこそ、一見シンプルでも奥行きが生まれる。
レイヤードすることで、新しい表情も生まれる。
男性服が持つ格好良さを、女性の日常へ自然に翻訳できる。
僕は、その可能性を一番持っている素材がニットだと思っています。
販売現場で見えてきた価値
営業として全国を回る中で、多くのショップと話をしてきました。
もちろん、すべてのお店に当てはまる話ではありません。
ただ以前より、「ブランドらしいブランド」が減ってきたという声を聞くことが増えています。
物価や為替の影響で、インポートやデザイナーズブランドは日常着として提案しづらくなりました。
一方で、価格だけを重視したブランドでは、お店の個性を表現しにくい。
そんな中で、
「こういうブランドを探していました。」
と言っていただけることが少しずつ増えてきました。
ブランドとしての個性があり、品質があり、日常で提案できる価格。
その価値を必要としてくださるショップは、これからも必ずあると信じています。
社会に対してできること
以前は今の活動、「服を作ることに社会的な意味はあるのか」と考えることがありました。
でも少しずつ考えが変わりました。服は、人を少し前向きにできる。
ブランドは、人と人をつなぐことができる。全国のお店、お客様、工場、職人。
ANTHOMがあったからこそ出会えた人がたくさんいます。
そのつながりを生み出し、「今日この服を着よう」と思える日常を増やしていくことも、ブランドの役割だと思っています。
これから
これからも関西を拠点に、全国のお取引先様やPOPUPを大切にしていきます。
そして東京での活動も、これまで以上に増やしていきます。
目指すのは、一時的な話題ではありません。
「日常のモードニット」といえばANTHOM。
そう自然に思い浮かべてもらえるブランドになることです。
そのためにブランド価値を磨き、3年以内にRakuten Fashion Week TOKYOのランウェイを目指します。
僕は営業出身だからこそ、ショーのためだけの服ではなく、店頭で選ばれ、お客様の日常で長く愛される服をコレクションとして表現したい。
ランウェイと日常は、決して遠い存在ではないのかなとも最近は思います。
ANTHOMが、その距離を縮めるブランドになればと思います。
最後に、、、
僕は良くも悪くも、多動な性格です。「これだ」と思って走り出したことが、一週間後には「やっぱり違うな」と思うこともよくあります(笑)。
昔は、それを短所だと思っていましたが最近は、その時に本気で考えたことだからこそ、生まれるアイデアや言葉があると感じています。
ブランドも、人も、一度で完成しない。
考え、迷い、修正しながら、少しずつ輪郭がはっきりしていく。
僕自身、そのやり方が合っているのだと思います。そして、いつも周りの方々に支えられながらここまで来てる。
だから、その時々に感じたことは、これからも自分の感覚で書き残していこうと思います。
数年後、いや数ヶ月後に読み返したら、考え方はきっと変わっていると思います。
でも、その変化も含めてANTHOMというブランドの魅力と捉えてくれたら嬉しいです。
ANTHOM ディレクターのかみえでした。